1-1.不調への気づきと悪化防止

・精神や身体の調子がいつもと違う、それがなかなか改善しない場合に参考にしてください。
・できれば精神科や心療内科に受診して、症状をできるだけ正しく診断してもらってください。

目次

[1]心身の症状への気づき
[2]症状への受け止め方
[3]ステップ2 受け入れ
[4]病者の役割と他人と比べない

[1]自分だけで抱えないで相談を

まず心身の状態の変化に気づくことが大切です。早期発見。

健康・リハビリ>「2.ストレスでつらい時の対処」>[2]精神に関連した心身の症状 で当てはまる症状がないかチェックしてください。

ストレス症状や、精神的な疲労は、通常は自然に回復します。ただ、日数がかかることはあります。
2週間以上かかっても、自然に回復しない場合や、これまでの経験とは明らかに違うと自覚した場合は、精神疾患が疑われる場合があります。
精神科、心療内科などの専門家に相談してください。
医療機関に行きづらいようでしたら、まずは家族など周囲で信頼おけそうな人でもいいです。

医療機関に行きづらいようでしたら、まずは家族など周囲で信頼おけそうな人でもいいです。

そして、次のステップ1,2,3の中から、できそうなことを試してみてください。

[2]症状への受け止め方

1.脳神経は修復を必要としている

精神疲労の回復は、生きることの根幹(土台)となるものなので、何よりも優先してください。
家を建てるときにどの土台となるコンクリートがしっかり固まるまで待ちます。コンクリートが乾く前にいじってしまうと、後でその上に家を建てようとしてもうまく行きません。
「今は、神経を修復させるために、あえて時間を割くことが必要」と思ってください。

2.疲れすぎないよう休憩、休日、睡眠(夜)を適度に取る

一般に、精神の病気にかかっているときは、睡眠をとることは大切です。眠れないときも、専門家に相談してください。
睡眠中に、脳細胞の数を増やす(GIGAZINE[1,2])ことがわかっています。
このように神経の修復は、脳で自動的に行われています。

3.生活のリズムを保つ

夜間に寝て、日中に起きるリズムをできるだけ保ってください。
起きたら、できる範囲で、少しでも外出、体を動かす家事などをするといいです。

4.なるべく今、今日のことに注意を向ける

精神状態が不調なときに、嫌な感情に駆られてどうしようか考えても、将来を否定的に思いやすいですし、過去を思い出して、後悔することもあります。
そのため、あえて「今」に注意を向け、行うようにします。

[3]ステップ2 受け入れ

1.症状に、波があるのは自然なこと

嫌な感じ、不安、すっきりしない中途半端な感じは、つらいでしょうが、なかなかなくならないものではないでしょうか?
すぐになくそうとすると、かえって思い悩んだり、つらくなってしまいます。
また、調子が悪い時は、とかく悪い方に考えてしまい、それに引っ張られそうになるかもしれません。しかし、できれば、そこですぐに何とかしようとせず、そののような気持ちをそのままにして、しばらく付き合っていく気持ちになれると理想的です。完璧にできる必要はありません。
好不調の波があっても、いい悪いという評価をなるべくしないで、今の状況を受け止めるようにします。うまく行かないこともあるでしょうが・・・何はともあれ、とりあえず今を過ごすことを考えます。

2.嫌な感情もあるがまま

不安、嫌悪感、恐怖、罪悪感、嫌な感情があっても、直接、コントロールできません。何とかしようとせずに、できるだけそのまま放置するようにします。実際に事件や災害にあったときの恐怖と違い、症状による強い感情は、苦痛であっても、それ以上の実害はありません。

3.スムーズにできないのには、理由がある

以前、すんなりできていたことが、時間がかかって、エネルギーを使ってしまうこともあるのですが、それは症状のせいです。他の人から見たら、ただの買い物や洗濯でも、実際は、ものすごく大変な作業をしているわけです。
車に例えると、強迫のときはローギアで坂道を登っているようなものです。症状を抱えつつ何かをするには、それだけエネルギーが余分にいります。

4.精神症状が重いときは、大きな決断はなるべくしない

特に急ぐ事情がなければ、そういうときは大きな決断はしない方がいいです。
もし調子が悪い時に、悪い方に考えてしまって、死にたくなってしまったとしたら、それはあなたの本心ではなく、症状によるものと考えられるので、真に受けないで、理由はともかく、自分を裁いたり、結論を出すことを先延ばししてください。そして、できれば、他の人に相談してください。

5.活動的でないように見えて、実は大変な作業をしている

症状がひどい場合、つらい感情や嫌な考えに襲われ、心の嵐に出合っているような状態です。
しかし、山や海で嵐に出合った人が、下手に動かず、安全な場所でじっとしていた方がいいように、精神の症状でも重いときは、無理な活動は控えた方がいい場合があります。
つまり、病気や困難な問題を抱えているときは、山や海で遭難した人のサバイバルに匹敵するくらいの困難であることがあります。そのサバイバルで耐えている間に、外見では何もしていないように見えても、体の中では、神経の修復作業がたんたんと行われています。
うまく行かないこともあるでしょうが・・・何はともあれ、とりあえず今を過ごすことを考えます。そして、今日1日を生き延びただけでも、「これで良し」としてはいかがでしょうか。

[4]病者の役割と他人と比べない

1.病者の役割

病気の人と、病気でない人とは、比較の前提となる条件が違ってきます。
病気を抱えているときは、その病気の治療に努めることが、あなたの役割です。
あなたは、自分のいる台を知って、その中で、 改善できる部分を探っていくしかありません。

病者の役割(by パーソンズ)
①病者は正規の社会的役割を免除される
――病気によって、仕事や学校を休むことが許されます。
②病者は、病気になったという状態・立場について責任を負わない
――病者は好んで病気になったのではないので、責任は問われません。
③病者は、できるだけ回復しようと努力しなければならない
――精神疾患によっては、回復とまではいあかんくても、悪化しないようにすることも含まれます。
④病者は専門的援助を求め、医師に協力しなければならない
――病者は、自己流ではなく、専門家とともに症状の改善を目指します。

2.大事なのは、自分の抱えた困難にどのように対処したかです。

難病を抱えた人や家族が、それに向き合っていった体験談は、感動を呼ぶことがあります。
たとえ、克服できなくても、何らかの障害を抱えつつ、日々を過ごすことは、人知れない苦労があるかもしれません。
人それぞれの課題はあるもので、それがどんな課題であれ、その生き方を尊重することが大事なのだろうと思います。

3.他人がどう思うかは、二の次

人に理解してもらいにくい病気ですが、病気なのに「いい主婦」「体裁のいい人」であろうと考えても、体がついていかないこともよくあります。
家族以外の他人は、何か言ったとしても、あなたの人生に責任を取ってはくれません。他人の言うことを気にするあまり体調を崩しても、被害を受けるのはあなた自身です。

他人が、実際に口に出したことならまだしも、人がどう思うかという心の中のことは、わからないはずです。そういうことを推測しても、それは根拠が不確かなことで、気にすることはありません。
嫌な感情に駆られて、想像で推測すると、いろいろな場合が考えられ、きりがないですし、精神的にも不健康です。

他人がどう思おうと、病気の治療のように、今の自分にとって必要なことをしていきましょう。

参考:

[1] 睡眠は神経パルスの伝達速度向上に重要な脳細胞の数を増やすことが判明 – GIGAZINE
[2]Tononi G, Cirelli C.Sleep and the price of plasticity: from synaptic and cellular homeostasis to memory consolidation and integration.Neuron. 2014 Jan 8;81(1):12-34. doi: 10.1016/j.neuron.2013.12.025.

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