2-7.双極性障害

そう状態、うつ状態という気分の変化によって、苦痛や支障をもたらす精神病です。

双極性障害II型では、軽そう状態が見過ごされ、うつ病と誤診される場合と、過剰に診断される場合が問題になることがあります。

次に、国際的な診断基準DSM-5から、診断基準の概略を載せますので、参考にしてください。

1.診断基準

双極性障害は、主に次の2つに分けられます。DSM-5[1]

I型・・・そうの期間(エピソード)を経験したことがある。
(躁もしくはうつの症状を一度経験したが、まだ次のエピソードが現れていない状態の人もいる。)

II型・・・軽そうの期間、かつ、うつの期間も経験するエピソード・・・うつ、そう、軽そうといった気分の症状が現れている期間のこと。

そう状態(エピソード):

A.気分が異常に高揚、開放的、いらいらして、他者から見て、普段の行動とは明らかに異なった状態である。
ほぼ毎日、1日の大半で生じる。

B.以下の3つ以上が見られる。
1)自尊心が過剰に大きくなる
2)ほとんど眠らずに、活動を続ける(睡眠欲求の減少)
3)やたら話す、
4)観念奔逸(いくつかの観念が、頭の中でよめどなく湧いてくる)
5)注意散漫
6)活動をしたい衝動の増加。あせった動作。
7)破滅的な結果になることがわかっているのに行為が止まらない(買い物、ギャンブルなど)

C.社会生活、仕事で著しく支障をきたす。
・このような状態が、 少なくとも1週間以上続く。

軽そう状態(エピソード):

そうエピソードとA.B.は共通。

異なる点は、
・少なくとも4日間、続く。
・その人の固有なものではないような変化で、それが他者によって観察できるようなものである。普段の行動との顕著な変化がある。
社会生活や仕事で著しい障害を引き起こすほどのものではない。

うつ状態(エピソード):

うつ病の診断基準と共通。社会生活や仕事に支障(機能障害)を引き起こすレベル。

うつ病と異なる点は、双極性障害では、身体症状は、それほど目立たない。

2.チェックポイント

・II型では、軽そうエピソードだけではなく、抑うつエピソードを経験している。

・注意欠如・多動性障害(ADHD)での過度な熱中、注意散漫、自閉症スペクトラムでの抑制困難と軽そうエピソードと誤解されることがある。これらの区別を明確にするため、新しい診断基準(DSM-5)では、軽そうエピソードは、普段の行動との顕著な変化があると改定された。
双極性障害のエピソードは、人生のある時期から発症するが、発達障害は先天的もしくは発達期での虐待などによる。

・I型よりII型の方が、軽度とは限らない。II型では抑うつエピソードが慢性化する傾向があり、長引く、重篤化する場合もある。
うつ状態の期間でも、気分と行動とのバランスを欠き、症状が移ろいやすく苦しい。

・軽そうエピソードとは、一過性な気分の高揚や、熱中などではなく、4日間以上続き、その人の固有の状態とは異なったものである。

・うつ症状が見られるのに抗うつ薬が効かないために双極性障害を疑うことは妥当だが、強迫症、パニック症、社交不安症などで抗うつ薬を用いて効かないことで双極性障害を疑われた場合。

3.特性

・双極性障害は増加している。
・有病率・・・I型0.0-0.6%、II型0.3%。双極性障害全体では、米国で1.8%と言われる。

・I型は男女比同等。II型は不明。

・併存疾患は、よく見られる。60%以上に不安症関連の疾患を経験する。

4.診療と対処

1)診断

精神科医による診断。
気分症状への心理尺度・テスト。
光トポグラフィー検査(NIRS)・・・過剰診断か確かめるのは、確実性が高い。実施している医療機関を探すには、光トポグラフィー検査.com

2)薬物療法

気分調整薬・・・炭酸リチウム(商品名:リーマス)、
気分調整薬(抗てんかん作用もあるもの)・・・バルプロ酸(VPA)(商品名:デパケン) 、カルバマゼピン(CBZ)(商品名:テグレトール)、ラモトリギン(商品名:ラミクタール)
非定型抗精神病薬・・・クエチアピン(商品名:セロクエル)

・抗うつ薬は、躁転するなど、うまく行かないことがある。

3)精神療法

対人関係―社会リズム療法・・・対人関係療法(IPT)は、重要な他者との役割の変化、不和などについて、会話・意思疎通の改善によって、精神的な効果を得るもの。
社会リズム療法は、日々の睡眠時間と、気分の変化、活動したことを患者が記録し、生活の安定が気分の安定にもつがなることを経験していくもの。

認知行動療法・・・。

5.リンク

すまいるナビゲーター双極性障害

NPO法人 ノーチラス会 自助グループ

6.参考

[1]アメリカ精神医学会(APA)[著]、日本精神神経学会[日本語版用語監修]「DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル」(2014年)
[2]加藤 忠史[著]「双極性障害 第2版―病態の理解から治療戦略まで」医学書院2011年

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