4-3.精神科救急・自殺防止

著者:有園正俊 公認心理師

1.精神科救急

通院先が営業していない時間(夜や早朝)、日祝日などに、精神状態が不安定になり、主治医に連絡できない、もしくは、営業する日時まで耐えられそうになときの相談先です。

119番ではありません。都道府県ごとに、そのような公的なシステムがあります。
電話番号は、地域の精神保健福祉センターや保健所などに問い合わせたり、ネットでも調べられる場合があります。

そういう傾向のある人は、普段から主治医や関係機関と、緊急時の連絡先について相談しておくことをお勧めします。

2.自殺防止のために

2-1.精神症状

死にたい衝動が激しいとき、それは脳の精神症状によると考えられます。
症状が重くなると、脳の中心部分の感情に関係した部位が中心となって、衝動をもたらします。そして、自分ではコントロールが難しく、否定的な感情が強くなるので、生きていても悪いことばかりのように思えてしまうことがあります。焦ると、よけいそのような心境に、磁石のように引き寄せれてしまう場合があります。

辛いでしょうが、どうか真に受けず、時間が経つのを待ってください。
感情が関わっているので、感情はいじくらなければ、必ず時間とともにピークが過ぎます。
そして、嵐に逆らわずに、少しでも衝動が減るのを待ちます。

自死というのは、他の人から見れば、大変恐ろしい行為です。
しかし、病気になると、それに気がつかないで、麻薬のように楽になるような錯覚をもたらします。
死後の世界というのは、科学的にわかりません。ですので、死んで楽になるという保証は、科学的にはありません。生きていてこそ、助けになる人に出会える可能性があるわけです。

また、強い感情・衝動が強くなると、主観的な見方に偏ります。そのため、心中、事故など、他人に迷惑となるような行為を行ってしまうことがあります。
また、残された遺族や関わった人たちに、大きな精神的な負担を負わせてしまうことが多いです。

このページを見てくれた人の精神的なつらさが、少しでも和らぐことを願っております。

支援と団体

まず命を守ることが最優先です。危険な行為を、少しでも先延ばししてください。

心理的危機対応プラン「PCOP」(ピーコップ)
精神的につらいときに支援してくれる案内です。
認知行動療法をもちいて、30分くらいできる、リーフレット(印刷物)。
ストップいじめ!ナビ」に載っています。

文部科学省 子供(こども)のSOSの相談窓口 一覧

厚生労働省 自殺対策 相談先一覧 電話、SNS、その他の相談先を掲載

いのち支える自殺予防総合対策推進センター 相談窓口等 に全国の機関へのリンクあり

日本いのちの電話連盟 全国のいのちの電話の連絡先がわかります。

国際ビフレンダーズ 自殺防止センター 大阪  東京

よりそいホットライン

東京都こころといのちのほっとナビ~ここナビ~

こころのホットチャット(SNS相談)東京メンタルスクエア

3.根本的な対処

問題を根本的に解決するには、次の方法が考えられます。

1)精神科医への相談:
精神科の医療では、医師の得意分野も様々です。
現在の医療機関での治療がうまくいっていない場合は、医師を変えてみる、セカンドオピニオンを受ける方法も考えられます。
精神科は、ドクターショッピングを何軒しても構わないので、自分の症状をよく理解してくれそうな専門家を、普段から根気よく探しておくといいと思います。

2)借金などの経済的な問題、人間関係のトラブルなど、病気以外のせいではと思えるとき:
4-5.医療費・福祉制度 などを参考に。
金銭や法律の専門家に、お金に困っているときでも、相談できるものも載せてあります。