1-3.きれい好き、潔癖症、強迫症(OCD)の違い

世間では、強迫症という病名が、あまり知られれていないため、潔癖症と混同されたり、病気の特性を誤解されることもあるようです。
しかし、もし症状のレベルであったなら、正式な疾患名を知ることが大切です。

*感染の可能性がある病気が流行っているような特別な状況で、平常時よりも洗浄、除菌、回避が増えるのは、無理もありません。強迫症での行為は、現実的には意味をもたない、もしくは明らかに過剰である場合です。[1]

潔癖と強迫

用語

きれい好き

きれいなものの対象は、自分の家、部屋、持ち物、身体、衣服で、それらに汚れやゴミがたまらないよう気を配り、片付いている様子。

潔癖

不潔なものを極度に嫌う性質。(デジタル大辞泉より)

潔癖性・・・潔癖な性分、気質を持つ人です。
潔癖症・・・主に潔癖が病的な場合だと思いますが、正式な病名ではなく、俗称です。潔癖症と言われる人の中には、下記の強迫症の人も含まれると考えられます。

不潔恐怖・汚染恐怖

正式な病名ではありません。不潔だと思うものに出合ったとき、恐怖を感じる人もいると思いますが、嫌悪、不安、怒りなどの感情が生じる人も含まれます。

強迫症/強迫性障害(Obsessive-Compulsive Disorder)

正式な精神疾患名です。強迫症の表れ方のタイプに、汚れや不潔が気になる、掃除や除菌が過剰となってしまうケースがあります。

潔癖な性分と強迫症(OCD)の比較

共通な点

1)不特定多数の人が触るであろう物が苦手

電車の手すりや、エレベーターのボタンのように、他の人なら問題なく使っているものでも、目に見えない汚さ、汚染物質を想像して、避けたくなる人は潔癖でもOCDでもいます。どうしても触らなくてはいけない場合、指の裏面やティッシュ越しに押す人もいます。

2)時間や手間がかかる

いずれも時間がかかったり、念入りに行うことはあります。これらだけではOCDかどうかは、判別できません。そのような行為を行う動機が重要です。

異なる点

1)自分が好んで行っているか?

きれいで片付いているのが好きで、自分の意志で行っているのなら、OCDとは言えません。OCDの場合、自分の意志がないわけではないのですが、自分の意志に反して、洗浄や除菌をやらざるを得なくなっている面もあります。そして、OCDでは、苦痛があることが診断基準の1つです。


2)嫌なものをなくしたい否定的な動機では?

OCDでは、きれいが好き、入浴が好きというより、嫌な汚れ、汚染物質を排除したいという、否定的な動機にかられて行います。
また、OCDでは、汚れや汚染物質がついていると、他の人には思えないものまで、ついていると思う場合があります。また、ついたと思えるものに触れた手で、他の場所をさわると、どんどん汚染のエリアが増えていき、何か非常に悪いこと、苦痛なことが起きないか気になってしかたなくなります。そのため、強迫的に洗浄や除菌をしないではいられない衝動にかられます。


3)コントロール困難

OCDが重症になると、気になった部分の洗浄や掃除を、仕事、学業、他人との約束を優先して、後回しにしたり、いつものルールを省くことが難しくなります。そのために、生活や社会参加に支障をきたすようになります。


4) 自宅がきれいとは限らない

一般に、潔癖というと、室内にゴミや汚れがほとんどなく、物が片付いている様子を思い浮かべます。OCDの汚れが気になるタイプで、そういう人はいなくもないのですが、OCDでは、特定の汚れ・汚染物質にばかり注目して、その洗浄や掃除に時間がかかるため、それ以外の部分は、汚れたものが放置されていたり、物が片付かないままになっているケースも多いです。
自分の部屋では、強迫行為をできないものが溜まってきて、寝る場所がなくなり、リビングで寝ざるを得なくなる人もいます。


参考文献

[1]American Psychiatric Association [著]「DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル」(2014)

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