1-3.OCDの特徴と要因

[1]OCDの特徴
[2]強迫か普通かわからない
[3]感覚的と言語・理屈的なタイプ
[4]影響を与える要因

[1]OCDの特徴

・症状の表れ方が多様で、人によってさまざまです。

・多くの患者は、その症状が、自分でもどこか異常だとわかっている部分があります(自我違和性)。しかし、その自覚の程度には差があり、違和感がほとんどない人もいます。

・症状が重いほど、疲れます。自分が望んだ行動によって疲れるのではなく、本人にはある程度不本意なことで労力を消耗させられる思いがします。

[2]強迫か普通かわからない

1)自分の抱えている問題が、症状かどうか、その境界がわからなくなることも、OCDの特性です。
一般的には、強迫かどうか判断で迷っているときに、他の人や病気になる前の自分なら、そのままにして放っておけても、今は放っておけないなら、強迫症状であると考えられます。

2)強迫行為をしていると、「普通のやり方がわからない」という人はよくいます。特に、OCDを長年抱えていると、無理もない話です。

普通の人のやり方は、通常、様々です。潔癖な人も、雑な人もいます。

やり方が普通かどうかというより、強迫行為という症状かどうかです。

症状といえるのは、本人もしくは周囲の人が苦痛を感じる、生活に支障をきたしている、強迫行為の加減やいつ終えたらいいかという感覚もわかりにくくなっている場合です。

病気になる前の自分は、特に意識していなかったこと、言葉であえて方法を考えていなかったことが、強迫行為になるので、普通の方法がどうであったか考えても、言葉ではわからないことが多いのです。

3)感じ方が敏感となり、現実と混同しやすくなる(感覚過剰反応:sensory over responsivity:SOR)
例:汚れた場所にさわってはいないのに、さわったように感じる。
大事なものを持っていなかったのに、持っていたように感じる。
自分の注意が他にそれた間に、何か悪いことが起こったかもしれないと感じる。

4)小さなことまで正体が気になる
例:
・服、持ち物、商品についたわずかな点まで、強迫的に変なものでないか、正体が気になって、見過ごせなくなります。
・車の運転や他人とすれ違ったときに、ちょっとした違和感が、なんであったのか、もしかしたら重大なミスでなかったか気になります。

[3]感覚的と言語・理屈的なタイプ

強迫観念は、次のタイプに分けることができます。

1)感覚や感情に左右されやすいタイプ:
例:
・物事の順番、位置、左右対称などにこだわる。
・日常のささいなことでも、細かいタイミング、自分の姿勢の違いで悪いことが起きると思ったり、不快で放置することが難しい。
・理屈ではないが、嫌な感じがすると、やり直したくなってしまう。
・以前は気にしなかった音や、体の中の違和感が気になってしかたがない。


2)言葉で理屈で考えたり、レッテルを貼るタイプ:
例:
・汚いものを、言葉で分類する。
例えば、外は汚い、地面は汚いと分類すると、少しでもそれらに触れたものまで、汚くなってしまい。ちょっとぐらいならいいやという中間の判断がなくなっていきます。
・頭の中で、大丈夫かどうか理屈で考えますが、どう考えても100%大丈夫とは言い切れなくて、強迫行為をしたくなってしまいます。

[4]影響を与える要因

4-1) 原因は何?

・遺伝子が関連しているであろうという説はありますが、詳細はわかっていません。[1]

・状況次第では、多くの人がなりうる病気だと考えられます。
・「OCD患者の1/3~2/3は、何らかの重大な出来事やストレス、例えば、身内の死や出産、人間関係のトラブルなどを発症の契機としている」([2]p14)だそうです。

・精神的・物質的(お金や家事)に自立してない・依存しやすいことが、症状の悪化や治療の進行に影響を与えることがあります。

・子どもの頃の家族との関係(虐待など緊張が強い環境、過度に細かく厳格なしつけ、など)が関係があると考えられるケースもありますが、原因の特定は、困難な面が多いです。

4-2)男女の違い?

患者さんの割合は、男女でほぼ同じです。
ただ、発症する年齢に、男女で差があります。
女性は、思春期、妊娠、出産、更年期のように女性ホルモンが変化する時期にOCDを発症・悪化する人がいます。また、月経の前後に、強迫症状が高じたり、思春期、更年期という女性ホルモンが変化する時期に、強迫症に変化が現れる人もいます。

4-3)有病率と時代・地域による違い

強迫症を生涯で経験する人の割合は1-3%と報告されています。[1]
どの時代や、どこの国・地域でも経験する人がいます。ただし、時代や地域によって、症状の現れ方が異なります。
現代の日本では、洗剤や抗菌グッツなどの商品があふれていて、臭いや除菌への心配をあおる宣伝も多いです。そして、家屋の気密性が増し、土などの自然に触れる機会が減りました。それと共に、社会全体での清潔に対する考えも、昔(例えば、明治時代以前・・)とは変わってきています。また、近頃では、個人情報の流出や、ネットでの操作ミスを過剰に恐れる強迫観念をもつ人もいます。

4-4)脳の障害?

脳の機能の異常としては、主に次の2つの仮説が考えられています。

4-1.セロトニン仮説

脳内の神経伝達物質のセロトニンに作用する薬がある程度効果があることから、セロトニンが関係していると言う説があります。しかし、それだけで説明できるものではなく、セロトニンが一次的な病因ではないらしいとした報告もあります([3]p11)。

4-2.ネットワーク仮説

脳内のいくつかの部位の活動が高まることから、それらを結ぶネットワークの機能障害が考えられています。(参照:OCDと脳、[2])
また、脳画像(MRI、PETなど)を使った研究も多く、脳内のそれらの部位で、活動の高まりが見られると報告されています。
そして、行動療法などの治療によって症状が改善されると、その高まりの部分も改善されるという報告があります。

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