5-1.精神・心理の専門家の皆様へ

著者:有園正俊 公認心理師

強迫性障害(OCD)への認知行動療法ができる専門家が増えてほしい!

OCDの患者さんで、薬のみの治療で改善がうまくいかない人、適切な精神療法ができる治療者が見つからなくて、困っている人は、とてもたくさんいます。
そのため、精神科医、心理師など、精神科医療に関わる人で、そのような技術を身につけた人が、もっと増えてほしいのです。

OCDへの精神療法では、認知行動療法/行動療法の技法である曝露反応妨害が主軸となります。
しかし、それを学ぶには、研修会・ワークショップのような座学だけでは、マスターが難しく、次のようなポイントがあると考えられます。

1)精神科の医療機関で、いろいろな精神疾患の患者さんの診療に関わった経験をもつこと。OCDは併存疾患をもっているケースも少なくなく、他疾患と鑑別が難しいケースもあるためです。

2)患者さんの状況が様々で、そのような状況を適切にアセスメンとし、ケースフォーミュレーションを行い、技法を当てはめていく技術が、奥が深く、実際に多くの患者さんに対応した経験を積んでいかないと難しいです。

3)曝露反応妨害の原理は、誤解されやすい点があり、既に経験がある治療者に、陪席したり、スーパーバイズを受ける機会がほしいです。

国内の主な研修・ワークショップ

1日3~6時間程度のものが多く、行動療法の基本を、教科書的に、スライドを見ながら学ぶ程度のものが多いです。そのため、これに参加した程度では、なかなか実践には使えません。OCDの患者さんの中には、勉強熱心な人もいるので、このレベルなら患者さんの方がくわしかったりします。
認知行動療法センター
日本認知・行動療法学会
一般社団法人 CBTを学ぶ会
OCDの会 行動療法研修会

海外の研修:

IOCDF 専門家向けのOCDの研修プログラムを行っています。

書籍:

本のページに専門家向けも載っています。英語が読める人なら、さらに多くの本が出版されています。


OCDへの認知行動療法などの専門療法ができるようになった専門家の皆様へ:
患者にとって、どこに専門家がいるのかわかるようweb上のリストがあります。

当サイト>強迫性障害の案内板>3-2.医療機関・心理施設リスト

精神・心理関係の有資格者であれば、自薦、他薦でも掲載を検討しますので、メールでご連絡ください。