6-1.強迫症(OCD)を知る週間

著者:有園正俊 公認心理師・精神保健福祉士

毎年10月第2週は、強迫症啓発週間とも呼ばれ、強迫症(OCD)を多くの人に知っていただくための1週間です!
今年は、
2026年10月11日(日)-17日(土)
OCDサポートでも、この期間、X(元Twitter)で、いつもより多めにメッセージを発信します。

[1]イベント
[2]目的と経緯
[3]自分でもできる情報発信
[4]awarenessの翻訳

[1]イベント

日本でも、イベントが企画されています!

10月17日(土)10:30-12:00 ZOOMによるオンラインイベント
東京OCDの会・東北OCDの会共催
月例会ラジオ企画、テーマ:『巻き込み』
〔対象〕:OCD当事者、家族・身近な人、医療福祉関係・支援者 テーマに関心のある方どなたでも 50名(先着順)
〔参加方法〕:事前申込が必要。詳細は、このページ。

10月17日(土)19:00- オンライン、XでのスペースみよるQ&Aライブ 事前の質問募集はここ

10月18日(日)10:00-15:00 主催:SAGA OCDの会
「みんなでOCDに 体験してみるチャレンジ」
講師:矢野宏之先生
会場:メートプラザ佐賀 視聴覚室
定員10名(要予約。申し込みフォームから。)

10月18日(日) 13:30 オンラインイベント
【強迫症啓発週間】強迫症(OCD)を知る・学ぶ・語る|主催:特定非営利活動法人 OCD-Japan

[2]目的と経緯

強迫症(OCD)は、まだ世の中の人々に、それほど知られた病気ではありません。しかし、実際は患者数は少なくなく、重症で苦しんでいる人も多いのです。
そのようなOCDを、多くの人に知っていただくために、アメリカで始まったのが、OCD Awareness Weekです。アメリカでは、国際強迫症財団(IOCDF)という団体を中心に、多くの団体、個人が会場やインターネットを通じて、イベントや情報発信をしています。
IOCDFのawareness weekページは、ここです。(英語ですが、YouTube動画などあり)
その他の国・地域でも、この1週間に、多くの人がOCDに関連した活動をします。

近年、海外では、ランドマークとなる建物で、青緑色(teal)でライトアップさせる場所も、増えてきました。IOCDFでのLandmark Lightingsのページはここ。

日本でも、OCDは、まだあまり知られていません。
OCDが重症になったときの深刻さ、患者さんだけでなく家族も大変な状況になってしまう人たちがいるということも、当事者以外には、あまり知られていません。
そして、OCDにくわしい医師・心理師もあまりいないため、症状の改善が難しい状況も、なかなか変わっていきません。
そのような状況を改善するためには、イベントに参加するだけでなく、皆さんが声を上げることが大事です。(^○^)

[3]自分でもできる情報発信

インターネットなどを使って、自分でも他の人に情報を発信することができます。

[案1] 自分や家族のOCD体験を書いて、社会に発信する。
・OCDによって、大変なこと、困っていること、他人に理解してもらいにくいこと、そんな体験談を文にしてみます。短い文章でも構いません。
・画像(写真、イラスト、動画など)を用いてアピールする。

発信する方法と宛先:
1)テレビ、ラジオの番組、新聞、雑誌の読者向けの欄に応募する。もしくは番組でOCDを取り扱ってほしいとリクエストをする。

2)SNS(X(元Twitter)、Line、Facebook、instagram・・・)などを使って、メッセージを書いてみる。
OCDサポートでも、X(元Twitter)に、画像やメッセージを載せています。
皆さんが、Xにメッセージを載せたことを教えていただければ、リポストできるかもしれません。

例1:文字だけでなく、写真や画像を載せる方法もあります。

例2:衣服やバッグにメッセージを添えた姿を、写真に撮ってSNSで発信します。

OCDデザインのパーカー


[案2] 行政(国、都道府県、市区町村)の医療、保健関連の部署で、住民からの声を聞く窓口があれば、そこにOCDで困っていることを文章で伝える。

例:「私は、強迫性障害という病気を抱えていて、仕事もできなくなり、家族とともに困っています。今まで、地域の医療機関で薬物療法を受けてきましたが、改善できませんでした。強迫性障害への専門的な治療として、認知行動療法が有効だそうですが、私の住む地域では、そのような治療を行っている医療機関が見つかりません。この地域の住人でも、認知行動療法が受けられるような支援をご検討いただけないでしょうか。」

<フリー画像>———————————————-
ここから下の画像ファイルは、自由にダウンロードして、お使いください。

・バナー画像(400*147)SNSなどで、使ってOK。

[4]awarenessの翻訳

awareは、英和大辞典によると「<人などが>‥の事情に通じている、(問題を)意識した」という意味の形容詞です。awareの名詞形が、awarenessです。つまりOCD awareness weekとは、OCDを(人々が)意識するようになる週という意味です。
awarenessについて、「啓発」と訳すことは、goo辞書によると「人が気づかずにいるところを教え示して、より高い認識・理解に導くこと」とあるので、意味としては妥当だと思います。ただ、「強迫症啓発週間」というと、何か固くて、一般の人にどれほど伝わるのかという疑問が残ります。こういう場合、わかりやすい表現が大事です。

次に、「啓蒙」という訳だと、近代以前の人々が教育を受けることが不十分であった時代に、国家や教会などが、そのような人々に、正しい知識を教えてあげるという上下関係を含んだ意味を持ちます。啓は「開く」、蒙は「暗い」という意味です。また、英語ではenlightenmentですので、awarenessとは意味を区別すべきです。

参考:
編集委員会(1993)「小学館ランダムハウス英和大辞典 第二版」p187
ジョン・ロバートソン(2019)「啓蒙とはなにか」
兵庫県 広報ガイドライン(2022)>「「啓蒙」から「協働」へ。~ユニバーサル社会づくり 啓発ポスター~」