2-8. 汚染/洗浄(不潔恐怖)の場合

[1]汚れ・汚染物質となる対象

・単なる「汚れ」というように対象が漠然としているタイプ
と、
汚染対象が具体的なタイプとがある。
例:ウイルス(エイズ、C型肝炎など)、菌・ウイルス、便、尿、土、砂、水銀、電磁波ほこり、薬品、強い洗剤

・OCDでない人が気にしない肉眼で見えないほど微量なものがついている、害を及ぼすかもしれないと思い、強迫観念の対象となることが多い。
例:

対処の参考コラム:微小な物質はどこにでもある確率と無視できるほど小さい

・肉眼でかろうじて見えるほどの小さな点でも、見過ごせずに、その正体が、汚物だったらどうしようと気になることもあります。

・特定の人(例:お父さん、意地悪な人、野宿者、だらしない人)に対し強迫観念が生じることもある。患者さんが理性的には、差別はいけないとわかっていても、症状が抑えられずに、葛藤する場合もあります。

洗い方、掃除の回数が増えるほど→きれいになると思い込む。
水洗いより、石けん洗い、普通の石けんより薬用石けん、石けんよりもアルコールというように、より安心できる洗浄・除菌法を求めて、強迫行為がエスカレートしていくことがあります。
→参考 コラム:手の洗い方

[2]きれいと汚いの区別

・汚れ・汚染の広がり・・・・さわった、もしくはさわったかもししれない場所に、誰かが触れば、次から次へと汚れ・汚染が広がっていく?と考えてしまいます。
鬼ごっこで、鬼に触られたら鬼になるように、見えない汚染がタッチしただけで広がっていくようなものです。
患者さんにとって、汚染が、きれいにしておきたいもの・場所に広がるのは、何としてでも避けたいので、そこで強迫行為をしたい衝動が生じます。

汚れの階層

患者さんは、上図の
左側:●●がついていないと思う場所=きれい=聖域

右側:●●がついていると思う場所=汚れている
とを区別が過剰もしくは徹底している。

汚いものが、きれいな場所に入ることは、阻止したい。

強迫行為(洗浄、回避・・)をする

[3]行動療法のポイント

きれいと汚いの区別を、いかに壊していくかがポイントです。
つまり、ただ汚いと思うものに手でさわって曝露するだけでは、手だけが汚れているので、手を洗いたいという衝動がいつまでも続いてしかねません。

不潔恐怖の場合、汚染されていると思う物に、まず手で触れ、次にそれを髪、顔、腕、脚などに広げて行きます。
その次に、「あなたの住環境に広めましょう。」 「ほかの人々を汚染することも恐れているのなら、エクスポージャーの実践中、その人たちを汚染する方法も考えなければなりません。」[1]p261
そのようにして、どこに触れたか覚えきれないくらいさわっていくと、強迫行為へのあきらめもつきやすくなります。

参考文献

[1]エドナ・B・フォア博士&リード・ウィルソン博士(片山奈緒美訳)「強迫性障害を自宅で治そう!」VOICE
[2]Pandmal de Silvia; Stanley Rachman(著)、 貝谷久宣(訳)「強迫性障害」
[3] Dan J.Stein著「不安とうつの脳と心のメカニズム」星和書店原著2003年、訳2007年
[4]Tamae E.Chansky,Ph.D., Freeing Your Child From Obsessive-Compulsive Disorder, THREE RIVERS PRESS, 2000

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