3-1.医療・保健の施設を探すには

著者:有園正俊 公認心理師

1.科の看板

・強迫性障害の治療を扱うのは主に・・・精神科、精神神経科、メンタルヘルス科など。

精神科に似た看板で、次のような科がありますが、違いは次のようです。

心療内科:
主にストレスなど心理的な原因により、身体に不調をきたす心身症を対象とします。
(ストレス性の)胃痛、過敏性腸症候群 (下痢・腹部グル音) 、ストレス性高血圧、狭心症、動悸、自律神経失調、更年期障害など。
心療内科でも、医師によって、強迫性障害、不安障害、うつ病なども対象とることがあります。カウンセリングを併設しているところもあります。

(脳)神経内科・神経外科:
脳、脊髄、末梢神経など神経の(身体的な)病気を専門とし、パーキンソン病、脳溢血、小脳変性症脳梗塞、脳出血、筋ジストロフィーなどを扱うところです。強迫性障害などの精神の病気は、対象外です。

*医療機関が 「標榜(ひょうぼう)」する診療科は、歯科以外なら医師が勝手に決めて良く、法的には制約もないそうです。 (cf:医療法 第69、70条)  ただ、1人の医師につき、専門科は1つが原則なので、最初に提示している診療科が専門だそうです(例外あり)。

2.地域の相談

1)保健所、市区町村、精神保健福祉センターの精神保健福祉相談

・精神保健福祉センターは、各都道府県にあり、精神保健福祉に対し、行政と、医療・福祉などの機関をつなぎ、様々な活動をしています。
・地元の保健所、精神保健福祉センターは、地域の医療機関をある程度把握しているので、そこの精神相談などを利用し、医療機関を紹介していただける場合がありますが、あまり専門的・具体的な相談は、期待できない場合もあります。

2)学校のスクールカウンセラー・養護教諭

学校では、病気の治療のような医療行為は原則、禁止されていますが、地域の医療機関へ紹介など、何らかの支援を得られる可能性が考えられます。

*上記の専門家(医師、心理士、精神保健福祉士、保健師など)は、精神科全般の知識が求められるため、強迫性障害について一般的な知識はありますが、通常は、それ以上の専門的な対応は難しいケースがほとんどです。

3.こんな心配は?

Q1健康保険証で精神科など受診した場合、勤務先(会社など)に、精神科に行ったということが、ばれてしまうものなのでしょうか?

答 保険の場合、医療機関は、社会保険診療報酬支払基金に請求し、そこで審査が行われます。審査が決定すると、その保険証を発行している(勤務先が加盟している)健康保険組合に通知がいきます。これらの業務に直接関わる人たちは、守秘義務があり、個人の情報が勤務先の他部署にもれて不利な扱いを受けることは、実質的にないそうです。

Q2そこの病院で、認知行動療法をするかどうかをたずねたら、「どのような治療をするかは医師が判断することなので、(認知)行動療法をするかわからない。」と言われ、わからなかった。

答 どのような治療をするかは患者さんによって異なり、医師が判断することなので、必ずしも自分が認知行動療法が受けられるとは限りません。
強迫性障害への認知行動療法は、精神科の医師や心理士なら誰でもできるものではありません。習得にある程度の時間や研修が必要ですし、1回の治療にかかる時間も長いので、精神療法やカウンセリングを通常外来とは別のシステムにしないと難しいためです。

Q3お金がないから、治療に行けない?

答 外来の場合、障害者自立支援医療(参照:精神科全般>3-3.医療費・福祉制度)の制度があり、診察と薬代の自己負担が1割(収入によって多少割合が異なる)になります。その他、生活保護など、状況に応じて、福祉の制度が利用できる場合がありますので、地元の役所の福祉課や福祉事務所の、ケースワーカー、社会福祉士、精神保健福祉士に相談するといいです。
ただし、自費診療の精神療法を利用した場合、このような制度が効かないのでどうしても患者さん負担が高くなります。

Q4インターネットで、正規の医療・心理機関以外で「OCDが治る」という治療、相談事業を目にしますが本当に効果があるのでしょうか?

答 当サイトでは、効果が怪しい情報はなるべく載しないようにしています。その専門家が、医療や心理の臨床現場で、ある程度の経験があるかどうかというのが、判断の目安の一つです。

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